1983(昭和58)年、北海道自動車短期大学に道内第1号機となる「走行動特性試験機」が導入されました。
自動車の走行安全性能は、タイヤや操向装置と路面間に作用する力学的作用力、モーメントなどとのバランスによって左右されます。
北海道自動車短期大学が導入した「走行動特性試験機」は、様々な走行状態を再現することにより、分力、モーメントに関する精度の高いデータを得ることができるものでした。
また、それらがどのように自動車の運動性能に関わっているか、力学特性を動的な形で解析することに加え、高速道路で多発する空気圧不足によるタイヤのバーストも再現できました。
※クリックで拡大
当時、自動車や道路環境の発達に伴い、自動車の走行安全性に対する技術的な要求は高度化の一途を辿っていました。
一方、積雪寒冷地である北海道では、スパイクタイヤによる道路損耗と車粉公害が社会問題化されていました。
そのような問題解決の一助となることが期待されていた試験機導入は、1984(昭和59)年1月に発行の北海道自動車短期大学広報誌「あごら」でも、巻頭を大きく飾りました。
メディアデザイン学科 成田大祐講師の元には、北海道自動車短期大学のオープンキャンパスで使用した看板用データが残っていました。
試験機導入時の写真にはないエキスパンドメタル(金網)は、試験中にはく離したトレッドやバーストによるタイヤ片が飛び散るのを防ぐために後に追加されたものです。
学校法人北海道科学大学では、2024年の創立100周年に向けて、設置校や関係者(在学生や卒業生、教職員など)の活躍によって、北海道「初」やNo.1、オンリーワンになった出来事・取組を発信しております。